電力ビックデータで何ができるのか?

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本日は、今 話題の電力ビックデータについてお話しさせていただきます。

スマートメーターを全家庭に設置することが政府の方針で示されており、電力各社はスマートメーターを順次設置していく予定でおります。スマートメーターが全家庭に設置されると、約7,700万件から30分に1回の頻度で電力データを取得できるようになります。

この膨大な電力ビックデータを収集するだけでも相当なシステム力が必要ですが、それを詳細にクラウド・ソフトウェアで解析して、電力データ商品としてカスタマイゼーションできるソフトウェア開発力を持つ企業は、世界的にも数少ないと考えられます。

各家庭の電力データを管理し電気料金の請求書発行という単純な業務システムに留まらず、家庭の経済行動分析からスマート家電や蓄電池の制御、デマンドレスポンス、各家庭間の電力融通、電力データを利活用した生活支援サービスと、電力ビックデータの利用価値は幅広く、とても深いと考えております。

今後、この電力データを利用して様々なサービスを提供する企業が現れてくると思いますが、当社は膨大な電力ビックデータを収集、解析し、個々の企業が多様な用途で電力データを利用できるよう電力データを商品化し、それをプラットフォームとして提供してまいります。

Web上のポータルサイトと同じように、当社のアプリケーションプラットフォームを利用すれば、家庭向けのエネルギーソリューションサービスを一気通貫で提供できるプラットフォームを、英国のケンブリッジ大学と共に研究・開発をしております。

その1つがパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)で利用予定のEnebergというアプリケーションです。このEnebergというアプリケーションは、家庭向けの太陽光発電の余剰電力を売買する際に使用するシステムです。

これまで家庭向けの太陽光発電の余剰電力は電力会社へ売電しておりましたが、日本で初めて電力会社以外で買い取りサービスを開始したのがパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)です。

電力会社以外の企業が太陽光の余剰電力買い取りサービスを行おうとすると、全国に個別散在する家庭の余剰電力量を予測し、それを一定の電力ボリューム量にまとめ上げて、電力の買い手企業に販売しなければなりません。また、太陽光発電ですから全国各地で気象が異なるので、独自の気象データと組み合わせて各家庭の余剰電力量を予測するソフトウェア技術は、日本でも類を見ないと自負しております。これをシステム化したのがEnebergというアプリケーションです。

家庭向けにはHEMSアプリケーション「ぴぴパッ!」を提供しております。ぴぴパッ!は、気象予報と連動させ家庭が無理なく節電できるようナビゲーションする機能や、太陽光の発電予報、電力の消費予測、蓄電池の自動制御による節電コントロール、今月の節電貯金の見える化などをスマートフォンやWebで提供しております。

ぴぴパッ!は、個々の企業が提供する様々なエネルギーサービスを家庭に届ける共通のHEMSアプリケーションであり、今後は、ぴぴパッ!と他のアプリとのコラボレーションも可能であると考えております。

当社では今後更に電力ビックデータのアプリケーションプラットフォームの開発を加速化してまいりますので、引き続き、応援の方、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

カテゴリー:スマートエネルギー

家庭の電力利用がこう変わる!

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本日は、2月25日に閣議決定されたエネルギー基本計画に基づいて、一般家庭の将来の電力利用についてお話しさせていただきます。

エネルギー基本計画の政府案では、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーについて、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくと明記されました。また、資源エネルギー庁が2009年9月に発表している「太陽光発電の新たな買取制度について」では、家庭向けの太陽光発電導入件数を、2020年には530万件まで普及させる目標を掲げております。

2020年頃には日本の家庭向け太陽光発電もアメリカやドイツのように、グリッドパリティ(Grid parity)を達成していると考えられますので、グリットパリティ達成時の電力利用のあり方を想定してビジネスを考える必要があると思います。

ちなみにグリットパリティとは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電コストが、通常の系統電力のコストと同等となることを指す言葉です。グリットパリティが家庭向けの太陽光発電で達成されますと、電力会社から購入する電気料金と太陽光発電で発電するコストが同等になりますので、クリーンな再生可能エネルギーである太陽光発電を設置する家庭が急速に普及すると考えられております。

一方で、太陽光発電は晴天時の日中に発電量が増加しますので、日中の発電量が電力消費量を上回ると太陽光発電からの電気が余る(余剰)になります。現時点では政府の政策により、太陽光発電からの余剰電力は系統電力から購入する電気料金よりも割高で電力会社やパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)が買い取ってくれるため、太陽光パネルを設置している家庭のほとんどは余剰電力を売電しております。

しかしグリットパリティが達成させると理論上は電気の売電価格と購入価格は同等になりますので、余剰電力を日中に売電しても夜には系統電力から電気を買う必要が出てくるため、余剰電力を売電しても電気料金の価格メリットは発生しないと考えられます。

そこで、この余剰電力を一時的に貯めておくことができる蓄電池もグリットパリティ達成時には必要不可欠なデバイス商品になると考えられます。いわゆる太陽光発電と蓄電池は車の両輪であり、エネルギーを効率的に無駄なく利用する家庭には必需品になります。

太陽光発電と蓄電池がセットで利用できると、太陽光発電の余剰電力と割安な深夜電力を蓄電池に貯めておき、太陽光パネルが発電しない夜や朝方に蓄電池に貯めた電気を放電して利用することができ、一般家庭においては極めて魅力的な電力の利用方法になると思います。

当社ではこのグリットパリティを先取りして、家庭向け太陽光発電の買い取りサービスを行うパナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社をパナソニック社と共同で設立いたしました。また、家庭向けの蓄電池レンタルサービスを行うONEエネルギー株式会社をオリックス社、NEC社と共同で設立しております。

次代を先取りして様々なスマートエネルギー事業を展開することで、2016年の家庭向け電力小売り自由化後には更に成長を加速させていきますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

カテゴリー:スマートエネルギー

カンパニー制の導入

 

社内カンパニー制の導入

本日、社内カンパニー制導入を発表させていただきましたので、カンパニー制導入に至った経緯などをお話しさせていただきます。

当社は1990年の設立以来、住宅・家庭分野に特化して電気設備や太陽光パネルの設計サービス、住宅全般のアフターメンテナンスに対応するカスタマーサポートサービスなど、数多くのサービスを提供してまいりました。

一方で、2016年に予定されている家庭向けの電力小売りの自由化を見据え、ONEエネルギー株式会社との蓄電池レンタルサービスやパナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社による家庭向け太陽光余剰電力買取サービスなど、スマートエネルギー事業を第2の創業事業と位置付け、積極的に事業展開を図っております。

当社ではこれまで培ってきた住宅・家庭分野でのノウハウや経営基盤を最大限活用し、当社の総力を上げてスマートエネルギー事業を成長事業に育てるべく注力しております。

これら2つの事業は住宅・家庭分野という事業領域は共通しているものの、事業モデルや必要となる経営資源(人財やシステムなど)などについては、それぞれ特性が異なります。

こうした状況を踏まえてこれまでの創業事業を統括する「プラットホームカンパニー」と、スマートエネルギー事業を統括する「スマートエネルギーカンパニー」の2つの社内カンパニーを設置することにいたしました。

会社を完全に分離する分社化ではなく、社内カンパニー制を導入した理由でございますが、やはりエプコという会社は一体であることを最大限に意識したことにあります。

当社が創業以来培ってきた経営基盤(住宅会社様や各メーカー様との事業ネットワークなど)を活用して、2つのカンパニーが営業上の協業を行ったり、スマートエネルギー事業の中で発生する業務を、創業事業であるプラットホームカンパニーで対応してもらったりと、当社の強みを共有しながら相乗効果を図り、両カンパニーの事業成長を推進させていきたいと考えております。

また、各カンパニー間の人事異動などもこれまで同様に行い、市場環境の変化に合わせた柔軟でスピード感のある組織編成が行えるのも社内カンパニー制のメリットであると考えております。

社内カンパニー制を導入することで、成長事業であるスマートエネルギーカンパニーには積極的な事業への先行投資を行い、安定的な収益を計上できるプラットホームカンパニーでは事業収支を明確にすることでカンパニーに従事する社員の活力を維持する効果があるものと期待しております。

このように2つのカンパニーが協調性と独立性を上手に融合させながら、当社が大きく飛躍するための施策の1つが社内カンパニー制の導入と考えております。

企業が成長を継続させる1つのテーマは、事業規模や市場環境の変化に応じて柔軟に適応できる組織を持つことだと考えます。今回の社内カンパニー制も未来永劫同じ形態を保つというよりも、事業環境に応じて柔軟に変化させていきたいと思います。

皆様にはこの度の社内カンパニー制導入の趣旨をご理解いただき、これからも当社への応援をよろしくお願い申し上げます。

カテゴリー:エプコ