中期経営計画達成への道筋⑩E-Saving事業-3

TEPCOホームテックが手掛ける電化設備のサブスクモデル(定額利用モデル)のエネカリが、脱炭素の流れを受けて、なぜ、大手住宅会社を中心に採用が広がっているのか、これまでのビジネスモデルとの違いを説明させていただきます。

日本政府の脱炭素政策により、大手住宅会社は太陽光発電システムや省エネ設備を搭載した省エネ住宅の供給割合を大幅に引き上げなくてはなりません。

一方で、これらの電化設備は200万ー300万円程度の工事費が必要で、建築工事費に占める割合も大きく、住宅ローンの上限額などの問題もあり、エンドユーザーへ提案しづらい商品となっておりました。

この状態を引き起こしている要因は、建物と電化設備を一体でエンドユーザーが所有する、いわゆる買取モデルが一般化していることにあります。

TEPCOホームテックでは建物と電化設備を区分して、建物はエンドユーザーが所有し、電化設備は所有せずに、毎月定額で電化設備を利用するサービスとして提供しております。

これにより建築本体価格を押し上げることなく、電化設備の設置で得られる光熱費削減メリットで、電化設備の利用料を支払うことが可能になります。

当初はエンドユーザーへ直販する電化リフォームが中心でしたが、昨今の脱炭素政策により、2021年に入って大手分譲住宅会社からの問合せが急増し、現在、多くの大手分譲住宅会社で定額利用モデルのエネカリが採用されております。

それではなぜ、大手分譲住宅会社かと言いますと、分譲住宅は建ててから販売する建売り住宅が主流です。

先に建ててしまいますので、この段階で太陽光パネルや蓄電池を設置すると当然、販売価格が200万-300万円程度高くなってしまいます。

建物は高付加価値化しますが、販売価格が高額になりますので売れ残りの心配がありますし、住宅ローンの限度額が上限に達して購入を見送るケースが懸念されますので、建築段階で電化設備の設置はあえて避けてきたのがこれまでです。

一方、サブスクモデルのエネカリも建築段階で太陽光パネルなどを設置しますが、利用モデルなので、電化設備の工事費は建物の販売価格にはONされません。

よって、住宅ローンにも影響がでません。また、分譲住宅会社としては、最新の電化設備を備えた省エネと防災性に優れた高付加価値住宅としてPRできますので販売促進につながり、かつ、脱炭素政策にも合致するという理由で採用が急拡大しており、今後、この流れが本格化すると確信しております。

最後にTEPCOホームテックの事業計画の推定について、ご説明させていただきます。

この度、東京電力エナジーパートナーからエネカリプラスが販売されたことを受けて、TEPCOホームテックとしてもエネカリプラスの販売を加味した来期以降の事業計画を作成中で、現時点の事業計画はあくまで推定値であります。

一方で、東京電力エナジーパートナーのプレスリリースによると、エネカリプラスと同時発表された新たな料金メニューである 「くらし上手」を、2030年度までに82万件の契約目標を掲げておりますので、それに連動する形でエネカリプラスの契約も増加していくことが予想されます。

これまで10回にわたりご説明させていただきました通り、中期経営計画達成に向けて着実に前進してまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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