中期経営計画達成への道筋➄D-TECH事業

エプコグループが脱炭素化とデジタル化で、住宅分野のESG支援事業を展開するにおいて、これまでのビジネスモデルがどのように変革されて、いかに付加価値が高まるのかについて、各事業部別に、ご紹介させていただきます。まず、D-TECH事業部からご説明いたします。

D-TECH事業部のこれまでのビジネスモデルは、新築低層住宅の水回り配管などをプレファブ化して現場の効率化を図る、設備特化型のサプライチェーンマネジメントを提供しております。

主要顧客は大手ハウスメーカーで、資材メーカーや販売会社がエプコのパートナーとなり、新築低層住宅の市場シェアは約14%まで成長し、安定的な経営基盤を構築しております。

一方でエプコグループの課題は、新築住宅の減少と設計サービスの汎用化に伴う成長の伸び悩みです。

また、住宅産業の課題としては、デジタル化が遅延し、業界全体の労働生産性の低さと、ZEHを含む住宅本体の脱炭素化の推進とCO2排出量の見える化です。

この住宅産業の課題を解決するソリューションサービスそのものが、D-TECH事業部のこれからのビジネスモデルになります。

まず、住宅産業は高齢化が進み、熟練工の職人も不足し、若年層の業界参入も進まない中、一定数の外国人技能実習生によって施工現場が支えられており、その傾向は今後益々顕著になっていくことが予想されます。

これまでは職人の経験で施工品質が担保されておりましたが、今後は習熟した技能を持つ職人の絶対数が不足しますので、誰が見てもわかりやすい3次元図面と、間違えずに施工ができるプレファブ資材の領域拡大が必須になります。

エプコグループでは業界に先駆けて、2次元設計図を3次元設計図に、2次元CAD技術者を3次元BIM技術者に育成することで、設備中心の2次元設計サービスから、建築全般の3次元フルBIM設計へサービス領域を広げることができ、その結果、設計単価の向上が図れます。

また、顧客についても、3次元フルBIM設計サービスを提供することで、戸建中心の大手ハウスメーカーから、賃貸住宅や店舗などを手掛ける新規顧客、ゼネコンなどの開拓で、売上拡大を図ることが可能です。

加えて、BIMを活用することにより、建築段階で発生するCO2排出量の算出サービスも手掛け、セールスミックスによりトップラインを伸ばしていくことが可能です。

2022年におけるD-TECH事業部の事業計画は、BIMクラウドサービスの立上げ時期ということもあり、売上高は前期比+1.4億円、6%強の増収で計画しております。

事業計画の内訳ですが、既存顧客に対しては、2通りでBIM設計サービスへの移行を進めてまいります。

1つ目は、一部の既存住宅会社へ建築全体のフルBIM設計を提案しております。

2つ目は、既存サービスである2次元の設備設計図に加えて、3次元の設備設計データの提供サービスを準備しております。

次に新規案件としては、住宅会社でカーボンニュートラル対応が加速しておりますので、ZEH(ネットゼロ・エネルギーハウス)の省エネ評価対応や、BIMと絡めたTCFDのコンサルティングを計画しております。

また、住宅会社以外の取組みとしては、大手ゼネコンでBIMの採用が進む中、製品メーカーが提供している製品図面のBIM化や店舗、電力施設などへのBIM化を視野に入れて、営業活動を行っていく方針です。

▲既存取引先の大手住宅会社でBIM設計ニーズが高まっており、本格採用に向けてフルBIM設計のトライアルを継続中です。

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