ろう学校学生と金沢エプコ社員がともに歩んだ職場実習~“聴覚に不安がある”視点から見えた学び~

現在、エプコでは金沢オペレーションセンターを中心に、「日本一静かなコールセンター」を掲げ、デジタルツールを活用した多様な働き方を探求しています。
今回、石川県立ろう学校の生徒さん1名を受入れ、4日間職場実習を行いました。学生とエプコ社員双方にとって、新しい働き方や職場への可能性を実感する機会となりました。
「日本一静かなコールセンター」で広がる新たな働き方~声だけに頼らないコールセンターの可能性~
コールセンターと聞くと、多くの人が「電話で話す仕事」とイメージするかもしれません。声のトーンや言葉の選び方でお客様の気持ちに寄り添い、即座に対応する、そんな“耳と声”に頼ったコミュニケーションが中心というイメージが強いと思います。
一方で社会的には電話離れやテキストコミュニケーションへの移行が徐々に進んでいます。
この変化に対応するため、エプコは新しい形のコミュニケーションを模索しており、デジタルによる業務領域を広げ、将来的には音声を使わないノンボイス対応も実現していくことを考えています。
音声を使わない業務領域が広がっていくのに伴って、例えば聴覚に不安がある方がコールセンターで働くといった新たな働き方の選択肢を提供する(=日本一静かなコールセンター)ことを推進しています。
その一環として、このたび金沢オペレーションセンターではろう学校の生徒さん(Yさん)を受け入れ、4日間の職場実習を実施しました。生徒、社員、そして先生方それぞれにとって大きな学びとなる4日間となりました。
年の近い新卒社員がサポート役として参加~最適なコミュニケーションの形を模索~
今回の実習には、2025年度の新卒社員1名がサポート役として参加しました。
(参考)https://www.epco.co.jp/kouhou/14990.html
一口に「障害」といっても人によって程度や特性は異なります。社員とYさんは、チャットや筆談など工夫を重ねながら、互いに最適なコミュニケーションの方法を探し出していきました。
この経験は、「伝える方法は一つではない」「相手に合わせて工夫することで、お互いに働きやすさが広がる」などの学びに繋がり、「多様性に向き合う力」を育む機会になりました。
ろう学校先生の思いとこれからのキャリア教育
実習前、ろう学校の先生からは、こういった実習は製造業の現場が多く、オフィスワークで、しかも4日間送り出すのには少し不安があったとの声がありました。
実際に4日間を終えての振り返りの場では、「学生とエプコ社員双方でコミュニケーションを工夫し、楽しく過ごしたおかげで、最後は明るい笑顔を見せてくれた。今回の成功を機に、学生に様々な職業体験やキャリア教育の機会を広げていきたい」といったお言葉をいただきました。
聴覚障害者の方々が安心して働いていただける職場を目指して
会社として「多様性を大切にしています」という方針を示してくことも大切ですが、実際に障害への理解を深めて行動することがさらに重要であると考えています。
エプコでは、例として雇用促進セミナーへ足を運び、聴覚障害や合理的配慮について学ぶ機会を積極的に設けています。自主的に手話サークルに参加して、ろう者の方々と交流を深めている社員もいます。
オフィス内も、リーフレットや新聞を設置することで、聴覚障害の方など、異なる背景を持つ社員と働く力や考え方を養う工夫をしています。
また、職場見学にお越しいただいた際には、イラストやテキストを使った、音がなくてもわかるような会社説明動画をお見せし、当社に対する理解を深めていただけるようしています。
▲リーフレットや新聞をオフィス内に設置
今回の実習は単なる職場実習の受け入れにとどまらず、エプコ社員自身が多様性を自分ごととしてとらえる貴重な機会となりました。
多様性は受け入れるだけではなく、互いに工夫を重ね、学び合うことで新しい価値を生み出します。
文字を介して意思疎通を行うことや伝え方を工夫することで、誰もが力を発揮できる環境を整える、こうした積み重ねこそが、重要だと感じさせられました。
お互いに工夫し合う中で、障害の有無にかかわらない働き方のヒントが見えてきたように思います。
エプコはこれからも多様な人材が活躍できる職場づくりに挑戦していきます!