カテゴリー:スマートエネルギー | a route(みちすじ) - パート 11

電力ビックデータで何ができるのか?

スマートグリッドEXPO_6

本日は、今 話題の電力ビックデータについてお話しさせていただきます。

スマートメーターを全家庭に設置することが政府の方針で示されており、電力各社はスマートメーターを順次設置していく予定でおります。スマートメーターが全家庭に設置されると、約7,700万件から30分に1回の頻度で電力データを取得できるようになります。

この膨大な電力ビックデータを収集するだけでも相当なシステム力が必要ですが、それを詳細にクラウド・ソフトウェアで解析して、電力データ商品としてカスタマイゼーションできるソフトウェア開発力を持つ企業は、世界的にも数少ないと考えられます。

各家庭の電力データを管理し電気料金の請求書発行という単純な業務システムに留まらず、家庭の経済行動分析からスマート家電や蓄電池の制御、デマンドレスポンス、各家庭間の電力融通、電力データを利活用した生活支援サービスと、電力ビックデータの利用価値は幅広く、とても深いと考えております。

今後、この電力データを利用して様々なサービスを提供する企業が現れてくると思いますが、当社は膨大な電力ビックデータを収集、解析し、個々の企業が多様な用途で電力データを利用できるよう電力データを商品化し、それをプラットフォームとして提供してまいります。

Web上のポータルサイトと同じように、当社のアプリケーションプラットフォームを利用すれば、家庭向けのエネルギーソリューションサービスを一気通貫で提供できるプラットフォームを、英国のケンブリッジ大学と共に研究・開発をしております。

その1つがパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)で利用予定のEnebergというアプリケーションです。このEnebergというアプリケーションは、家庭向けの太陽光発電の余剰電力を売買する際に使用するシステムです。

これまで家庭向けの太陽光発電の余剰電力は電力会社へ売電しておりましたが、日本で初めて電力会社以外で買い取りサービスを開始したのがパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)です。

電力会社以外の企業が太陽光の余剰電力買い取りサービスを行おうとすると、全国に個別散在する家庭の余剰電力量を予測し、それを一定の電力ボリューム量にまとめ上げて、電力の買い手企業に販売しなければなりません。また、太陽光発電ですから全国各地で気象が異なるので、独自の気象データと組み合わせて各家庭の余剰電力量を予測するソフトウェア技術は、日本でも類を見ないと自負しております。これをシステム化したのがEnebergというアプリケーションです。

家庭向けにはHEMSアプリケーション「ぴぴパッ!」を提供しております。ぴぴパッ!は、気象予報と連動させ家庭が無理なく節電できるようナビゲーションする機能や、太陽光の発電予報、電力の消費予測、蓄電池の自動制御による節電コントロール、今月の節電貯金の見える化などをスマートフォンやWebで提供しております。

ぴぴパッ!は、個々の企業が提供する様々なエネルギーサービスを家庭に届ける共通のHEMSアプリケーションであり、今後は、ぴぴパッ!と他のアプリとのコラボレーションも可能であると考えております。

当社では今後更に電力ビックデータのアプリケーションプラットフォームの開発を加速化してまいりますので、引き続き、応援の方、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

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家庭の電力利用がこう変わる!

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本日は、2月25日に閣議決定されたエネルギー基本計画に基づいて、一般家庭の将来の電力利用についてお話しさせていただきます。

エネルギー基本計画の政府案では、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーについて、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくと明記されました。また、資源エネルギー庁が2009年9月に発表している「太陽光発電の新たな買取制度について」では、家庭向けの太陽光発電導入件数を、2020年には530万件まで普及させる目標を掲げております。

2020年頃には日本の家庭向け太陽光発電もアメリカやドイツのように、グリッドパリティ(Grid parity)を達成していると考えられますので、グリットパリティ達成時の電力利用のあり方を想定してビジネスを考える必要があると思います。

ちなみにグリットパリティとは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電コストが、通常の系統電力のコストと同等となることを指す言葉です。グリットパリティが家庭向けの太陽光発電で達成されますと、電力会社から購入する電気料金と太陽光発電で発電するコストが同等になりますので、クリーンな再生可能エネルギーである太陽光発電を設置する家庭が急速に普及すると考えられております。

一方で、太陽光発電は晴天時の日中に発電量が増加しますので、日中の発電量が電力消費量を上回ると太陽光発電からの電気が余る(余剰)になります。現時点では政府の政策により、太陽光発電からの余剰電力は系統電力から購入する電気料金よりも割高で電力会社やパナソニック・エプコ エナジーサービス(株)が買い取ってくれるため、太陽光パネルを設置している家庭のほとんどは余剰電力を売電しております。

しかしグリットパリティが達成させると理論上は電気の売電価格と購入価格は同等になりますので、余剰電力を日中に売電しても夜には系統電力から電気を買う必要が出てくるため、余剰電力を売電しても電気料金の価格メリットは発生しないと考えられます。

そこで、この余剰電力を一時的に貯めておくことができる蓄電池もグリットパリティ達成時には必要不可欠なデバイス商品になると考えられます。いわゆる太陽光発電と蓄電池は車の両輪であり、エネルギーを効率的に無駄なく利用する家庭には必需品になります。

太陽光発電と蓄電池がセットで利用できると、太陽光発電の余剰電力と割安な深夜電力を蓄電池に貯めておき、太陽光パネルが発電しない夜や朝方に蓄電池に貯めた電気を放電して利用することができ、一般家庭においては極めて魅力的な電力の利用方法になると思います。

当社ではこのグリットパリティを先取りして、家庭向け太陽光発電の買い取りサービスを行うパナソニック・エプコ エナジーサービス株式会社をパナソニック社と共同で設立いたしました。また、家庭向けの蓄電池レンタルサービスを行うONEエネルギー株式会社をオリックス社、NEC社と共同で設立しております。

次代を先取りして様々なスマートエネルギー事業を展開することで、2016年の家庭向け電力小売り自由化後には更に成長を加速させていきますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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家庭のエネルギーの節約は、電気・ガス・水道をトータルで。

節電だけではもったいない

本日は、家庭で消費されるエネルギー(光熱費)についてお話しさせていただきます。

アサヒグローバルホールディングスの青山ハッピー研究所が実施したアンケート「第490回 最近、あなたは節約を意識しているか?」の結果によると、現在、節約していることの第1位は節電している76.7%、第3位は節水している52.9%、第6位は節ガスしている33.4%(複数回答)であり、エネルギーに対する節約の意識が高いことがうかがえます。

具体的な節約の方法としては、待機電源の削減、暖房設定温度を低めにする、冬場のお風呂は家族が立て続けに入るなど、皆様のエネルギー節約の工夫が感じ取れます。

アンケート結果にもありますように、家庭で節約できるエネルギーは電気だけではありません。ガスや水道も節約することで、家庭のエネルギー支出を抑えることができます。東京都に住む標準家庭の4月からの電気料金は8,111円になり、3か月連続の値上げになります。同様にガス料金は5,985円、水道/下水道料金は5,934円という試算になっており、家庭のエネルギー料金の負担は増加する一方です。

電気・ガス・水道という光熱費の節約(いわゆるランニングコスト)を減らす方法は大きく2つあり、1つは使い方を見直す方法と、もう1つは家電や機器を省エネタイプに交換する方法があります。

上の図にあるように電気とガスは1次エネルギー消費量として扱われ、暖冷房と給湯で全体の50%以上のエネルギーを消費しますので、ここの使い方の見直し又は省エネタイプの機器に交換するが、エネルギー節約のポイントになると考えます。

また、水道の利用構成はトイレ、お風呂、炊事で全体の75%の水利用になりますが、水道料金の節約になるのは便器と洗濯機を節水タイプの機器に取り換える方法や、お風呂の利用の仕方ではガス料金(ガス給湯器利用の場合)と水道料金の両方の節約につながります。例えば、朝晩の洗顔時、お水を1分間流しっぱなしにすると約12Lのお水を使用します。コップを利用して歯磨きすれば約0.6Lのお水ですみますので5Lの節水になり、3人家族ですと1ヶ月で約220円、年間2,500円の節約になります。

更に効果的なのが住宅の断熱性能を高めることです。住宅の断熱性能を高めるとは、燃費の良い住宅にするということであり、外気からの熱の侵入を抑制し、住宅内部の熱を外に漏らすことを少なくしてくれます。つまり、ランニングコストである1次エネルギー消費量を減らすことができ、少ないエネルギーで快適な暖冷房が実現できます。断熱性能の高い住宅にするには、断熱材で補足したり2重サッシにする方法があります。

そうは言っても、我が家の最適なエネルギーの節約方法はどうすればよいのか? という疑問が生じませんか。エプコは20年以上、住宅の水廻りや電気、住設建材、太陽光発電に関わる設計サービスを手掛けており、今では年間約100,000件以上の住宅・家庭向け設計サービスを提供しております。この設計サービスのノウハウを活用し、電力だけではなく、ガスも含めた我が家のエネルギー診断サービスを実施していく予定です。

このエネルギー診断サービスでは、単に電気やガス料金がどの程度節約できるかだけではなく、機器の交換費用や、節約した料金で機器交換費用を何年で回収できるかなどの目安も提供していきます。また、太陽光発電や蓄電池などを設置した場合の経済効果のシミュレーションもワンストップで提供できますので、エプコならではのエネルギー診断サービスを、なるべく早く皆様にご利用いただけるようにいたします。

このように住宅・家庭分野に強みを持つエプコだからこそできるスマートエネルギーサービスを、今後、更に増やしていきますので、皆様には応援の方、よろしくお願いいたします。

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