経営者の求心力とガバナンスについて、その2

それではどうすれば経営者の良心を健全に保つことができるのでしょうか。

その答えの一つが、「徳を積む」、「足るを知る」ということではないかと考えております。

この二つは、社内向けのa route でも何度も紹介してきておりますが、人として真っ当に生きるために備えておくべき素養と思います。

経営者の前に、まず、その人が真っ当な人間なのか、が問われるのであって、特に上場企業であるパブリックカンパニーの経営者には欠くことができない素養であると考えます。

「徳を積む」とは、おごらない人間であるための修行といってもよいと思います。

組織を束ねるトップを社員が信頼できなければ、会社は一つにまとまるわけがありません。

故に経営トップは、おごらない人間であるために、日常生活の中で「徳を積む」努力を重ねる必要があります。

「徳を積む」には、人ぞれぞれのやり方があると思いますが、代表的な徳の積み方が掃除であると思います。

最近ではオフィスビルの管理上、清掃会社がオフィスの掃除を請け負っておりますが(エプコでも)、本来であれば、毎日働く職場を自分たちできれいに掃除するのは当たり前のことであって、職場の掃除は社員だけではなく、経営トップも自ら掃除をすることで、職場の動きや社員の仕事ぶりといった日々の気づきを得ることができます。

こういう日常的な努力の積み重ねが、人としての徳を積んでいくことにつながると思います。

特に経営者が日々掃除をすることで、経営者という立場に甘んずることなく、組織の一員としての役割を自覚することができ、自らを律することができるように思います。

ちなみに私も朝6:20分には出社して、人通りが多いごみ置き場の周りや入退出するドア付近の床や通路を、水雑巾で拭きながら徳を積んでおります。(かれこれ30年近く掃除を続けておりますが、なかなか、徳は積みません)

つづく。

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